津波で鉄橋や駅舎が流され、全線の3分の2が運休している岩手県の三陸鉄道で、「3・11」と印字された“幻の切符”が人気だ。 4月から販売を始めた「三陸から恋し浜行き 250円」。公式サイトでは、硬券と呼ばれる厚紙の乗車券や入場券など約90種を紹介。不通区間を含むものは原則、「23・3・11」と印字され、販売する切符の大半は購入しても乗れないが、全国から約1万枚(2000万円分)の注文があった。 同鉄道は、南リアス線の全線と北リアス線の一部が運休。全線の運行再開には約110億円かかると見込まれており、社員らが「鉄路再生の必要性を訴えたい」と“幻の切符”を発案した。同鉄道は「利用客の増加が見込めない中、全国からの応援は心強い」としている。