日本の「建築に対する意識の低さ」と「建築家の責任」 石山友美氏(以下、石山):今回のイベントのテーマは「建築家の社会的な役割」ということで、映画の終着地も「建築家というのは社会にとって何なんだろう」というのを考える内容になっています。伊東(豊雄)さんも安藤(忠雄)さんも、日本においては建築家が社会から認知されていない、認められていないというのを「空しく感じる」というような発言があったんですけど、それに関しては共感しますか? 坂茂氏(以下、坂):すごくそう思いますね。例えば、「ポンピドゥ・センター・メッス」はフランスのメッス市につくったんですね。それで、街を歩いていると「うちの街にこんな素敵な建築をつくってくれてありがとう」と、見ず知らずの市民の人が声を掛けてきてくれるんですよ。日本じゃありえないですね。 逆に、日本では何が起こっているかと言えば、例えば中央都市へ行ってタクシーに乗って、立派
![新国立競技場の再コンペは「出来レースだった」 建築家・坂茂氏が指摘する、日本の建設業界の問題点](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/8c6d83529ef0ba48ab4ebdc18f4e48322fbb71ce/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fimg.logmi.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2018%2F02%2FIMG_8477.jpg)