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2009年9月3日のブックマーク (1件)

  • 高村薫さん「太陽を曳く馬」 殺人とは 仏教で問う : 出版トピック : 本よみうり堂 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

    戦争、殺人、巨大地震……。理不尽な死を経験してきた私たちは、仏教を再発見していくべきです」と語る高村薫さん=追野浩一郎撮影 高村薫さん(56)の長編小説『太陽を曳(ひ)く馬』(新潮社)は、動機の見えない殺人に、青年僧の轢死(れきし)という、一見関連のない事件を重ね合わせた。そこには人を殺すとはどういうことかという根源的な問いかけがある。(浪川知子) 「時代を描く」ことを目指し、曹洞宗の僧侶、福澤彰之を登場人物の中心に据えた3部作の完結編。『晴子情歌』で戦前から戦後復興期を、『新リア王』で経済発展の頂点をとらえた作家が、新作の背景にしたのは、「20世紀の常識が通用しなくなった9・11テロ後」の時代だった。 幼い頃から他者と交わらず、ただ絵を描くことだけに熱中してきた青年が、同居していた妊娠中の女性と、隣家の大学生を惨殺する。「うるさい音を消したかった」。それが彼の述べた唯一の理由だった。