自殺予防への取り組み 自殺者が9年連続で年3万人を超え、大きな社会問題となるなか、仏教者による自殺予防の取り組みが広がっている。インターネットを使って相談に乗ったり、僧侶同士の活動をネットワーク化したりと、新しい動きも出てきた。 「もう、疲れてしまいました」。豊かな緑に囲まれた千葉県成田市の曹洞宗長寿院で、住職の篠原鋭一さん(62)は、切々と苦悩を打ち明ける女性と向き合っていた。 篠原さんは12年ほど前から、寺を開放して自殺を考える人たちの話を聞いている。この日は朝から5人が面会に訪れた。相談を受けている間も頻繁に携帯電話が鳴った。 「一度会話した人には、『いつでも連絡して』と言っています。この問題は待ったなしですから」と篠原さん。死を思い詰める人々の“駆け込み寺”と言われるゆえんだ。 人間関係に悩む若者、会社の倒産やリストラにあった中高年、家族と同居しながら孤独感にさいなまれる高齢者……
浄土真宗本願寺派(本山・西本願寺、下京区)が実施した全国の宗派寺院約1万か寺を対象にした自殺問題のアンケートで、自殺の予防や遺族支援へのかかわりを質問したところ、僧侶の約8割が「特にかかわっていない」と回答していたことがわかった。一方で、自殺への問題意識は高い結果が出ており、僧侶が対応に悩んでいる実態が浮かび上がった。 調査は昨年5月、各寺院に調査票を郵送し、2682か寺(26%)から回答を得た。アンケートは無記名で、自殺についての認識や、自殺者の葬儀で配慮したこと、苦慮した体験、今後の提案などを聞いた。 「自殺は命を粗末にしている」との質問には、「思う」が51・9%、「やや思う」が16・6%。「自殺は仏教の教えに反している」では「思う」が59・7%、「やや思う」は14・1%で、自殺を否定的にとらえる僧侶が大半を占めた。 一方、自殺の予防や遺族支援へのかかわりについて、「特にかかわっていな
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