盤面は、一手損角換わりの最新形で進んでいる。 二日制、持ち時間八時間の将棋は、一日制、持ち時間四時間のタイトル戦に比べて、時間がゆったりと流れている。 後手・羽生挑戦者が選んだ一手損角換わりの将棋を、控え室の米長さんは「一手損角換わりはみんなで研究した結果、先手有利という結論になるだろう。しかし、それは私が生きている間に解明されるかはわからない」と予言する。果たして現代将棋には、米長の予言を超える革命的な変化が訪れようとしているのだろうか。それはまだ誰にもわかっていない。両対局者をはじめとした現代トッププロたちが、日夜、その解明にいそしんでいるのである。そのうちの一人である佐藤康光さんは「僕が生きている間にも解明されないと思いますよ。僕は後手番持つのも大好きなんですよね(笑)。」と言う。 『羽生名人は常に安定した力を出してくると思う。自分がだらしないとシリーズが盛り上がりません。自分の出来