僕が書いた『機動戦艦ナデシコ』の2作目は12話にあたる「あの『忘れえぬ日々』」というエピソードだった。 この時も、メインスタッフから出た注文は、『機動戦艦ナデシコ』の全体のストーリーとは、関わりのないエピソードでいいとのことだった。 つまり、戦艦ナデシコとその乗員が登場するなら、どんなエピソードでもいいというのだ。 ただ、全体のストーリーの流れに、影響をおよぼさないエピソードであってほしい。 つまり、『機動戦艦ナデシコ』という作品にとって、あってもなくてもいいエピソードだが、あったほうが『機動戦艦ナデシコ』の作品世界がふくらむというか、豊かになるようなエピソードが欲しいというのだ。 あってもなくてもいいエピソードという意味では5話の「ルリちゃん『航海日誌』」と同じである。 こういうストーリーを書いてくれという具体的な提示はなかった。つまり、『機動戦艦ナデシコ』の作品世界を外れなければ、何を