世界で一番古く、今なお効力を持つ食品関連の法律をご存知ですか? それは、ドイツのビールに関する法律「ビール純粋令(Reinheitsgebot)」です。ビールの原料を「大麦、ホップ、水(後に酵母が追加される)」に限定したビール純粋令は、1516年にバイエルン王ヴィルヘルム4世によって制定されました。バイエルン生まれのビール純粋令が、5世紀を経た現在でもドイツ全土で適用されているという事実は、ドイツ人の頑固なまでの美味しいビールに対するこだわりの現れと言えるでしょう。 1871年にプロイセン王を皇帝とする連邦国家、ドイツ帝国が誕生すると、バイエルンは帝国に加わる条件として、「ビール純粋令をドイツ全土で有効にする」ことを要求しました。翌年に制定された酒税法では、帝国内でのビール醸造に澱粉や砂糖を使用することが認められましたが、バイエルンは純粋令を主張し続けます。そして同令に則って造られるバイエ