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ブックマーク / whiteskunk.hatenablog.com (5)

  • 吉田博嗣「やすお」の秀逸なおぞましさについて - 真っ白な館

    日記:どうでもいいが、はてなブログでの記事執筆方法は未だにはてな記法をえらんでしまう。 題。 comic-days.com 作では、愛子は姉から送りつけられた「やすお」と生活を送る中で彼女の自己中心的な性格に直面しつつ、「やすお」が壊れるタイミングで読者に「やすお」の正体(人口からランダム抽出された人間を「半機械」化した存在で、そもそもが元々人間)が明かされる。アンドロイドものと思いきやディストピアものだった、という種明かしがされたあと、更に愛子の内心の葛藤が明かされるところで話が終わる。 この短篇が巧いのは「愛子の問題が何一つ解消されていない」という点だ。 愛子は自分もまた「やすお」と同じ存在である「はなこ」になる運命だったので(それを親のコネでどうにか避けることができた)、「やすお」に対して倒錯した感情を抱いている。彼女は親や姉に対してコンプレックスを抱える反面、「やすお」の一件で

    吉田博嗣「やすお」の秀逸なおぞましさについて - 真っ白な館
  • 『天気の子』2回目を観にいった際のメモ一覧 - 真っ白な館

    初回の感想こちら whiteskunk.hatenablog.com 2回目を観た直後に、映画の冒頭からラストまでの時系列に沿って感じたことをざっと思い出してメモしたもの。「どの場面がどのシーンの前/後に配置されてるか」がアホみたいにすらすらと思い出せたので、ちょっとした台詞や映し出される映像・場面のほとんどにストーリーライン上の必然性がある。 なお、映像から推測・判断できる情報だけを書き起こしたので、小説版を読めばわかる情報と齟齬があるかもしれませんがご了承ください。 ※2019/07/31 8:40:ブコメ指摘受けて一部表現変更。id:type-r さんありがとうございます。 小説 天気の子 (角川文庫) 作者:新海 誠発売日: 2019/07/18メディア: 文庫以下、重大なネタバレを含みます。 鑑賞メモ 家出をする理由を『キャッチャー・イン・ザ・ライ』だけで説明するのめっちゃくちゃ

    『天気の子』2回目を観にいった際のメモ一覧 - 真っ白な館
  • バランスのいい作品がラストで一線を越えてしまった!『天気の子』感想 - 真っ白な館

    天気の子』を観た。二連続でこのレベルの作品が出てくるのマジ……? 自分は新海誠作品のなかで一番好きかもしれない。 映画天気の子』スペシャル予報 ※以下、ネタバレに一切配慮していません。 予報を観た時点で変な声が出るわけですよ。「セカイ、っていう言葉がある」からはじめて『ほしのこえ』『雲の向こう、約束の場所』『秒速五センチメートル』『星を追う子ども』『言の葉の庭』『君の名は。」と一連の作品から「セカイ/世界」の台詞があるところを全部引っぱってくるだけじゃなく、類似するカットをふたりに対応させて映し出し、その上で少年と少女/少女と少年/青年と女性の二人が名前を呼び合うシーンで一気に畳みかける。この映像を素朴に解釈するとどうなるか——新海誠の作品において「セカイ」とは「自分が想いを寄せる人」である。それらが『天気の子』の冒頭、「セカイのかたちを決定的に変えてしまったんだ」という台詞につながっ

    バランスのいい作品がラストで一線を越えてしまった!『天気の子』感想 - 真っ白な館
  • Crypkoがゲームとして衝撃だった理由を説明する - 真っ白な館

    はじめに www.itmedia.co.jp これのブコメに「ブロックチェーンかゴミかよ」「補助金もらえますね」「プロのイラストレーターには勝てない」みたいな的外れなコメントがついているのを見て、これ解説しないとダメだわということに気づいたので書いておく。 なお、自分はCrypkoのオープンβ版しか遊んでいないので、PFNが提供を始めた現行のサービスがこの解説と同じサービスであることは保証しない。 要約 旧Crypkoのキモは次の3つだった。 女の子を「合成・配合・売買・貸与」することが倫理観をハックする ブロックチェーン技術で画像の一意性を確保しつつ仮想通貨取引と紐付けて収益をあげるシステム(ただしβ版のときは無料) ワンクリックできれいな画像がサクッとできあがることの快楽/所有欲 このサービスにおいて、ブロックチェーン技術の特徴・長所をシステムにしっかりと組み込んだ意味のあるものなので

    Crypkoがゲームとして衝撃だった理由を説明する - 真っ白な館
  • 湯浅政明『夜は短し歩けよ乙女』感想 - 真っ白な館

    およそ最高の映画であった。 夜は短し歩けよ乙女 (角川文庫) 作者: 森見登美彦 出版社/メーカー: KADOKAWA / 角川書店 発売日: 2012/09/01 メディア: Kindle版 この商品を含むブログを見る 京都の大学生である「先輩」と、彼が恋する「黒髪の乙女」の一夜の物語。原作小説は4の連作短編で、春先の京都先斗町・8月の夏の古市・秋の京都大学11月祭・冬のお見舞いにおける二人の様子を描く。映画はそれに準拠している。 最高の構成だった。先斗町→下鴨神社→学園祭→お見舞いと場面が移り変わるにつれて、登場人物たちの服装や格好・場面場面の様子も全て視覚的・映像的に春夏秋冬と移り変わっているが、演出上はすべて「同じ夜」のことして描いている。京都を舞台にしているが、これらの多くは「嘘」である。下鴨神社の古市は昼にしかやっていないし、学園祭も京大11月祭は18時ごろにほぼ全ての出

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