超党派の国会議員による国際観光産業振興議員連盟(IR議連=通称・カジノ議連)が、カジノ解禁推進法案(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律案)を議員立法で一両日中にも国会に提出する公算が高くなっている。10年来のテーマがいよいよ本格的に動き始めたという感がある。しかし、法律専門家としての観点から見れば、かなり多くの懸念事項が残された状態での船出である。それは、この法案が通常の法律とは違い、いわゆる「プログラム法」と呼ばれるものであり、カジノ解禁の具体的内容がほとんど規定されていないことに起因する。今回提出されるカジノ解禁推進法案の問題点を、以下に検証する。 ●プログラム法とは プログラム法とは、特定の政策分野について、具体的な制度内容そのものではなく、国の目標や実現に向けた手順などを規定する法律のことである。プログラム法は、単に「工程」(プログラム)を示すだけであるから、成立しても、