とくに感心させられたのが、予算の配分方法。会社が成長するためにはお金が必要だが、テスラは限りある予算を何に費やすのか、時間軸に応じてフレキシブルに変えることができる。それでいて、経営の軸はブレない。イノベーションが起こるのは、まさにこういう場所からだと痛感した。ただし、社員はすさまじい集中力で本当によく働くから、この状態を維持したまま何年も働ける人は少ないだろう。 「今の日本の大企業はスピードについていけない」 ――型破りなテスラと、典型的な日本の大企業であるパナソニックは10年にわたって協業関係を続けてきました。その中では、テスラの生産スケジュールやマスクCEOの言動をめぐってパナソニックが振り回される局面もありました。 パナソニックに限ったことではないが、今の日本の大企業は、テスラのような企業のスピードについていけない。課題は、意思決定に慎重すぎる点にある。 日本の製造業には高い技術力