本日は、歴史人口学のお話です。 伝統的な歴史学は、マルクス主義の影響を強く受けていたり、イデオロギー的な部分を多く含んでいたわけですが、それに対する批判・克服として台頭したのが歴史人口学です。 従来の歴史学においても、人口というのは、極めて重要な位置をしめているのですが、歴史人口学においては、フランスでは教区記録、日本では宗門改め帳を史料として使うことによって、当時の人々の生死、出産、結婚離婚などにまつわる諸指標を算出することを目指しました。 これは、従来の歴史学における構造研究への偏重への批判・再考を促すものだったのですが、歴史人口学の研究の発展の結果、当時の民衆の生活史の復元が可能になったのでした。 皆さんが、学校で習うような歴史は、歴史の中において、比較的文献資料を残した人々の歴史です。ですから、日本史であれば、主に貴族の歴史、あるいは武家の歴史といってしまったほうがいいものです。ほ
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