秋の神様がのっそりと起き上がり 旅立ちの仕度を始めた 様子をうかがっていた「風族」の 「北風小僧」などの「北風派」は 森,林、山や並木道などへくり出して 樹々の彩を変えていく 森や山に住むタヌキやリスなどの 生きものたちは 樹々の彩が変わるのを感じて 長くて寒い冬への備えを、あわてて始める 「北風小僧」たちは、それぞれ「団扇」や 「扇子」を使って風を起こしているが まだ初心者マーク付けた見習いの 「北風小娘」は持っていない 兄の「北風小僧」から初めて 「この場所はお前に『まかせる~』」と云われたので 「北風小娘」は張り切って大きく息を吸い 顔を真っ赤しながら頬を膨らませ 「フーッ」と一気に息を吐きだしては 並木道のイチョウを彩っている 「北風小娘」はその日の任務を終えると ぐったりして自宅へ帰ってきた 昼間一生懸命に働いたので お腹はペコペコで、夕飯だけでは足りず 夜食は、これまでは菓子類