二人の子どもに分数の足し算を教えた。 「1/3+1/4 は?」 「1/12」 ふたりとも同じように間違える。 「答えは7/12。どうしてだかわかる?」とたずねる。 異なる経路 一人は興味深そうに耳を傾ける。「1/3というのは、ひとつのケーキを三つに割った、切れ端のことなんだ」そう説明を始める。 「3つに割った切れ端と、4つに割った切れ端は大きさが違うでしょ?そのまま足したらおかしいよね?」 分数の「意味」を「おはなし」として理解した。だから、あとは訓練。何問も問題をとく。 手が、答えを覚え出す。 たくさんの問題を解いたら、もういちど、分数の意味を考えながら問題をとく。手と頭が連動する。 もう一人の子は、ぷいとそっぽを向く。一通り説明を聞いたあと、「たすきがけでしょ。授業で聞いたよ。なんで答えの出し方を教えてくれないの?」と憤慨する。 なるほど、そうか。「じゃあ、やり方を覚えよう。分母は掛け