(1)「英語教育」誌(大修館書店)の2012 年11月号の特集は、「グローバル人材を育てる英語教育」です。私はまず「グローバル人材養成」と「英語教育」はどう結びつくのか疑問に思いました。特集ページの表紙には、「近年、政府や自治体、学校現場において『グローバル人材』育成事業が強化されている」とありますが、私には、国際人の養成が「強化」されているとはあまり思えないのです。 (2)最初の記事は、文部科学省官房国際課による、「グローバル人材育成への取り組み」で、今年の6月に公表された「グローバル人材教育戦略」の説明をしています。小見出しには、「大学の国際化の飛躍的推進」とか、「学生の双方向交流の推進」など威勢のいい文言が並んでいますが、こうした掛け声だけで「日本の教育のグローバル化」が進むと考える人はいないでしょう。文科省の立場で発言するならば、予算(要求を含めて)などの裏付けのある主張をしてもら