入学式や進級で喜びいっぱいの春、保護者たちをブルーな気分にさせるものが「PTAの委員決め」だ。PTAはなぜ、嫌われるのか。それとも、嫌う方が悪いのか? この春まで、東京都内のある公立小学校で3年間もPTA会長を務めた政治学者の岡田憲治・専修大教授(58)に聞いてみた。【小国綾子/オピニオングループ】 ファーストコンタクトがすべて 「みなさん、こんにちは。PTA会長の岡田です」 2年前の4月、岡田さんがPTA会長を務める小学校では、学年最初の保護者会が開かれていた。岡田さんは頃合いを見計らい、小学1~3年の十数クラスすべてを回って、保護者たちにこう呼びかけた。 「これからクラスでPTAの委員決めをしますけど、どうか皆さん、絶対に生活を犠牲にしないでください。PTAはあくまで生活の延長です。お子さんの体が弱いとか、親御さんの介護中だとか、そんな時はやらないでいいですから!」 スーツではなく、あ