東京五輪が7月23日に始まった。だが、新型コロナウイルス緊急事態宣言下で無観客開催となった上に、期間中に爆発的な感染拡大を招き、菅政権の統治能力のなさが、あらわになった。自民党内では、先の東京都議選の敗北もあり「菅義偉首相では間近に迫る衆院選を戦えない」との悲観論が広がる。首相はこの窮地を脱することができるのだろうか。(共同通信=内田恭司) ▽内閣支持率は30%台前半まで下落 「自宅でテレビ観戦してもらえるよう、要請をしっかりしたい」。菅首相は7月30日夜、緊急事態宣言の対象地域拡大決定を受け、官邸で開いた記者会見でこう述べ、感染拡大を受けた東京五輪の中止は考えていないとの認識を示した。 ただ強気の発言とは裏腹に、コロナや五輪への対応を巡り、頭を悩まし続けてきたのは、疲れた表情から明らかだ。東京が4度目の緊急事態宣言下にあり、1日あたりの感染者数が4千人を超えた日があるほどなのだから、当然