全国初の運転再開の可能性が濃厚だった九州電力玄海原発2、3号機。国による追加の安全評価「ストレステスト」の実施、九電のやらせメール指示という二つの問題を突き付けられた地元・佐賀県玄海町の岸本英雄町長は7日「私の判断は無駄だった。運転再開の容認判断を一度撤回したい」と表明、再稼働は白紙になった。 町長は記者会見で、終始硬い表情を浮かべ、国への批判を繰り返した。「評価をやるならもっと早く示すべきだ。菅直人首相は信用できない。早く新しい首相に代わり安全と言ってほしい」と不信感をあらわにした。 岸本町長は再稼働について、ストレステストの結果が出てから再検討する方針。ただ評価にかかる期間を国がはっきり示していないことから「年内には4基すべて(定期検査で)止まってしまう」と懸念。「九州だけでなく日本全国が困る。国はそれを考えているのか」と語気を強めた。 また、九電の「やらせメール」問題についても「九電
■佐賀新聞社の取材中 「やらせメール」指示発覚 「責任は免れない。原子力がアウトになるかもしれない」-。6日に表面化した九州電力の「やらせメール」問題は、真部利応社長に佐賀新聞社が単独インタビューしている間に国会で進展していった。社員の関与を把握した真部社長は、自らの責任と問題の重さに言及した。「地元理解」を第一に掲げ、玄海原発2、3号機の再開に向けた地道な説明を続けてきた九電。真部社長は「大マイナスです」と声を失った。 本社がインタビューをしていたさなかの午後4時過ぎ、真部社長に社員がメモを手渡した。「ちょっと」と足早に席を立った。約10分後に戻ると、6月26日の説明番組で関連会社などにメールでの参加を促したことについて「国会で問題になっているみたいです」と説明した。「事実だったら道義上問題。こんなことをやっても何も動かない」としながらも、「今、調べてますから」と慎重な姿勢を見せた。 約
九州電力が関係会社に、県民向けの原発説明番組に玄海原発再開容認のメールを送るよう指示していた問題は、武藤明美県議(共産)=佐賀市=が指示文書を入手したことがきっかけで6日の衆院予算委で取り上げられた。 武藤県議によると、説明番組開催前日の25日、知人を介して「指示文書」を手に入れた。文書は「九州電力殿から」と記され、「番組当日に自宅からアクセス」し、説明会の進行に応じて「再開容認の一国民の立場から、真摯に、かつ県民の共感を得うるよう意見や質問を発信」と方法や文言についても指示されていたという。 武藤県議は「(指示を受けた)職場内からも『やり過ぎではないか』との声も上がったが、止めるまでにはいかなかったそうだ」とし、「県民の疑問に答える番組が世論誘導に利用された。原発に不安を抱く県民の純粋な思いを逆手に取ったやり方」と強く批判した。
■ストレステスト実施 玄海原発2、3号機の再稼働に“お墨付き”を与えた経産相の口から飛び出した新たな安全評価(ストレステスト)。玄海原発の地元からは「安全性の検証につながる」と歓迎する声の一方、「これまでの安全対策の不備を認めたようなもの」と厳しい意見も上がった。 隣接地として「市民の不安が解消されていない」と、再稼働に慎重姿勢を見せている唐津市の坂井俊之市長は「(安全評価が)どんな条件で行われるのか明確でない」としながらも「市民の不安解消につながるのであればやってほしい。ただ、なぜ今まで実施されなかったのか疑問だが…」と不信感もにじんだ。 現時点での安全対策に不満を示していた伊万里市の塚部芳和市長は「ここで立ち止まって、安全性を検証するのはいいこと」と肯定的に受け止めた。「検査と並行して、早急な防災計画見直しとモニタリングポストの設置を」と注文した。 一方、市民団体や住民からは厳しい声も
「なぜ今なのか」-。福島事故後の運転再開第一号になるとみられていた玄海原発2、3号機は、国の新たな安全評価(ストレステスト)実施の表明で一転して見通しが崩れた。既に九州電力に同意を伝えた東松浦郡玄海町の岸本英雄町長は「非常にショック。国が信用できない」と憤慨、再稼働に前向きな姿勢を示していた古川康知事も「一体、何を信じたらいいのか」と戸惑いを隠さない。1カ月以上審議を続けてきた県議も「大臣まで来たのに覆すのか」「愚弄(ぐろう)している」と怒りを爆発させ、国への不信感が渦巻いた。 「経産相に『安全は保証する』と言ってもらったから、同意の判断材料にした。私の判断は何だったのか」。岸本町長は怒りをぶちまけた。 町議会の合意を取り付け、「手順」を踏まえてきたとの自負がある。それだけに「全部ぶちこわされた気分。こんな一貫性のないやり方では、国がおかしくなる」と政府を激しく批判した。再稼働の遅れは確実
九州電力は6日、玄海原発2、3号機の再稼働に向けて経済産業省が6月26日に佐賀県内のケーブルテレビなどで中継した説明番組で、本社の課長級の男性職員が、原発の職員や関連会社社員らに対し、一般市民を装って運転再開を支持する意見をメールで番組に投稿するよう指示していたことを明らかにした。九電の姿勢が問われ、原発再稼働に影響を与えるのは必至だ。 同日夜、緊急会見を開いた九電の真部利応社長は「間違いない事実。国の説明会の信頼性を損ないおわびしたい」と述べ、社長の関与は否定しながらも「責任は社長の私にある。辞任すべき問題かどうか、考えさせてほしい」と語った。 真部社長によると、6月22日に原子力発電本部の職員が、玄海と川内の原発関連の3事業所、西日本プラント工業、ニシム電子工業など四つの子会社の関係者に、自宅のパソコンから発電再開を容認する意見を送信するようメールで依頼していた。 6日の衆院予算委で共
玄海原発2号機と3号機の運転再開をめぐる国主催の説明番組で、九州電力は、再開に賛成する意見をメールで送るよう幹部社員が子会社や社内に働きかけていたことを明らかにしました。 九州電力・真部利応社長:「国の説明会の信頼性を損なうかのような、損なうような結果になったということで、心からお詫び申し上げたいと思っている」 九州電力によりますと、原子力発電本部の課長クラスの男性社員は、子会社4社と玄海原発など3事業所の社員にメールを送り、先月26日の国主催の玄海原発の運転再開に関する説明番組に対し、再開賛成の意見を自宅からメールするよう呼びかけました。実際に何通のメールが送られたか分かっていません。真部社長は、運転再開への影響について「当然ある」としてます。
やらせメール問題を受けて会見の冒頭に頭を下げる九電の眞部利應社長=福岡市中央区で2011年7月6日午後7時32分、矢頭智剛撮影 九州電力の眞部利應(まなべとしお)社長は6日夜、同社内で会見し、玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開の是非を問うため経済産業省が6月26日にケーブルテレビで放送した県民向け説明番組に絡み、九電原子力発電本部の課長級社員が子会社に、再開を支持する電子メールを投稿するよう依頼していたと発表した。東京電力福島第1原発事故で原発の安全性に不安が広がる中、電力会社自らが「やらせメール」で番組の公平性を阻害したことで、原発再稼働の是非だけでなく、国の原子力政策への信頼を揺るがしかねない事態となった。 眞部社長は企業トップとしての責任を認めたが、進退については「(言及を)控えたい」と明言を避けた。 この九電社員は番組放送4日前の6月22日に▽西日本プラント工業▽
本件については、我々のみならず協力会社におかれましても、極めて重大な関心事であることから、万難を排してその対応に当たることが重要と考えております。 つきましては、関係者に対して説明会開催についてご周知いただくとともに、可能な範囲で、当日、ネット参加へのご協力をご依頼いただきますよう、御願い致します。 説明会ライブ配信websiteにアクセスの上、説明会の進行に応じて、発電再開容認の一国民の立場から、真摯(しんし)に、かつ県民の共感を得うるような意見や質問を発信。 なお、会社のPCでは処理能力が低いこと等から、是非、ご自宅等のPCからのアクセスを御願致します。
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