どんなに売り上げを誇る流通店舗がテナント入居しても、絶対に成功しない好立地――。これが「神戸ハーバーランド地区」だろう。かつて貨物駅だった国鉄(現JR)湊川駅周辺跡地を、神戸市行政主導で再開発、10年の歳月を費やし、街開きはバブル経済も終焉を迎えた1992年。流通店舗の目玉だったのが西武百貨店の神戸西武だ。 神戸西武のテナント入居は、当時、神戸市民の間に、不思議な自信と活気をもたらしたものだ。西武百貨店が関東に基盤を置く企業であることから、神戸は大阪を上回る関西一の都市へと成長したかに錯覚したことによる。 だが、神戸西武は、ハーバーランド出店からわずか2年で業績不振により撤退。一見、好条件に見える立地も、その実は、集客不利な悪条件が重なっていたところが大きい。 ●集客を阻む国道2号線と阪神高速道路 冷静にその立地をひもとくと、いかに集客が難しいかがわかる。JR神戸駅近くとはいえ、駅とハーバ
![神戸ハーバーランドはなぜ失敗したのか? 一体的都市計画を無視した土地開発の末路](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/1069e4cfda6f3a8e31b224fad02194f83a7eb967/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbiz-journal.jp%2Fwp-content%2Fuploads%2F2019%2F06%2Ftop_2668_kobe.jpg)