日本企業の会議における最もおかしな点は、単なる「報告会議」の数の多さにあります。 私はコンサルタントという仕事柄、いろいろな企業の会議を見学させていただいています。するとたまに、役職が上の方や社歴の長い方が長々と1時間ほど演説をして、それで解散という、よく分からない会議に出くわします。一般社員はその間、ずーっと宙を見つめ、「無の境地」に入っています。これではいてもいなくても同じです。 会議終了後、私が「これはいったい、何の会議だったのですか?」と尋ねると、「報告会議です」という答えが返ってきます。1カ月の売上と新製品の動向を報告し、製造部門と営業部門が状況を共有する会議だというのです。 「何月何日のこの時間は○○の報告会議です」と言われて集まり、本当に報告しかしない。「この内容ならば、報告書を読めば済む話だよね」と誰もが思うことのために、何十人もの社員が1カ所に集まってひたすら報告を聞く。