私はあらゆる日本人が世界に向かって胸を張れる才能がひとつだけあると思っています。 それは味覚です。 日本人ほど多様で研ぎすまされた味覚を持つ民族はいないのではないかと思います。 ではなぜ、日本人にその能力が伴っているのでしょうか。その秘密は日本語にあると考えています。 たとえば英語で、味覚を表現する単語をいくつ挙げられるでしょうか。hot, cold,sower,sweet,spicy,smoky,bitter,salty,oily、色々挙げることができますが、50種類はないのではないかと思います。 ところが日本語には、甘い、辛い、暖かい、冷たい、脂っこい、はもちろんのこと、しょっぱい、塩辛い、甘酸っぱい、酸っぱい、甘辛い、香ばしい、などなど、無数の味覚表現があります。 日本語が持っている豊かな味覚や情緒の表現力こそが、日本人の味覚を研ぎすませ、無限にも思える日本の料理文化、単に和食に