著者のマリー・カーペンターは米国でも環境や食の安全に対して住民意識が高い先進地域に在住するジャーナリストで、ダムを取り壊した川にサケが還ってきた事例など、環境問題に関する報道も多く手掛けている。 本書ではまず、もともとは呪術者や王侯貴族専用の「魔法の薬物」だったチョコレートやコーヒー、お茶など、カフェインの入った飲食物が一般大衆にも嗜好品として普及するようになった歴史的過程をたどる。古代には神官や呪術者など、一部の限られた人たちが伝承された専門知識や経験に基づいてカフェインを使いこなしていたと思われるが、現代では一般の人たちも手軽に利用できるようになり、カフェインにまつわるさまざまな問題が生じている。著者はそうした悲喜劇を数多くの事例を交えて取り上げている。現代社会でカフェイン問題が生じている根本的な原因は、誰もが魔法の粉を簡単に手に入れることができるようになったにもかかわらず、私たち一般
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