世界経済が大打撃を受け、「雇用や賃金が増えない中で、価格だけが上昇している」と指摘され始めている。小売の中で「最も身近な買物の場」であるコンビニへの影響も不可避的だ。アフターコロナのコンビニエンスストア各社が対峙する“見えざる敵”とは何か――。 東日本大震災を契機に注目集めたコンビニ アフターコロナの小売業界は、「消費者の消費行動がガラリと変わっているだろう」(イオンの吉田昭夫社長)という見方で一致しつつある。コンビニも“新日常”と向き合うことになる。 緊急事態宣言によって外出自粛を要請されている現在、休業要請の対象業種ではない食品スーパーやドラッグストアに消費者が押し寄せている。「(商品を)出しても、出しても間に合わない」(食品スーパー関係者)というほど、小売の最前線では非日常が展開されている。 小売業界の関係者ならば、似たような光景を思い出すはずだ。東日本大震災の時である。震災発生直後