生活保護世帯にとっては、クーラーや冷蔵庫などありふれた家電の故障も命取りになりかねない。県内の貧困問題に取り組む反貧困連絡会の事務局の錦織龍彦さん(58)は「国は毎月の給付を蓄えて計画的に買い直しなさいというが、そもそも最低生活費だから難しい。さらに支給額が最大5%引き下げられたら不可能に近い」と今回の見直し方針を批判する。 生活保護費の引き下げは04年から続いている。福井弁護士会によると、13年の生活扶助基準見直しでは平均6・5%、最大10%の引き下げがあり、国は予算を670億円カットした。今回も160億円を削減すると決まっている。 堺弁護士は「減額ありきではないか」と決定過程をいぶかしむ。基準引き下げは就学援助など他の制度に影響する可能性もあるとし、「生きていくぎりぎりの基準をいつの間にか下回ってしまうことになりかねない」と危惧している。