なんの変哲もない。 「博多 藪」というそば屋。 中洲のど真ん中にある。 広告会社の竹ちゃんに連れられた。 時刻は夜中の12時を回っている。 飲みの仕上げの、ざるそばもいいな。 と思っていた。 竹ちゃんが言う。 「カツ丼を頼んでください」 冗談だろ、若者じゃあるまいし。 同行のサトーさんと顔を見合わせる。 「だまされたと思って」 竹ちゃんは譲らない。 「周りを見てください」 ごった返す店内。 クラブを引けた和服のママも 女の子も、食べているのはカツ丼! 男も女も老いも若きも、十中八九がカツ丼を食している。 どないなこってすか! なぜでごじゃるか? 疑問解明のためにも食わねばならぬ。 3人ともカツ丼を注文。 来た。 食った。 うまい! カツの肉が薄い。 コロモも薄い。 少し焦げている。 これがまた、うまい。 卵がトロトロ。 つゆだく、なのだ。 出汁の味は甘めだが、そこに隠し味、ピリと辛い。 横
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