豊島は香川県小豆郡土庄町に属し、豊かな自然に恵まれた文字どおり「豊かな島」でした。 ところが、1965年頃から土地を所有する業者によって水ヶ浦の土砂が大量に採られるようになりました。業者はこの跡地に有害産業廃棄物処分場を計画、住民たちが猛反対、香川県庁にデモ行進しました。「木屑、食品汚泥など無害な産廃を利用してミミズの養殖をする」と矛先をかわした業者に、香川県が1978年に事業許可を出しました。 業者は、ほどなくして産廃の不法処理を始めました。1980年代になると、香川県は住民たちには業者は金属回収業を行っていると説明する一方で、業者には古物商の届出をするよう勧め、豊島が「ゴミの島」になるきっかけとなりました。フェリー転用のゴミ船を玄関口の家浦港に接岸し、産廃を陸揚げ、産廃満載のダンプカーが我がもの顔に豊島を走りました。現場では野焼きが連日行われ、児童らにぜんそくなどの健康被害が相次ぎまし