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ブックマーク / blog.szk.cc (15)

  • 反抗なきロックの時代

    若い時分、僕の周囲にはロックミュージシャンしかいなかった。アマチュアからベテランまでたくさんの人たちと関わって、たとえば「ミュージシャン」と「芸能人」の間にある微妙な差だとか、フリーランスの演奏家として生きていく彼らの職業意識だとか、そういうものを学ばせてもらっていた。概して彼らは低姿勢だったけど時によっては「ロック」な立ち居振る舞いで、彼らの語る70年代や80年代の武勇伝を聞きながら、さすがにビール瓶で頭を殴られて流血こそしなかったものの、これでも時代はマシになった方なのだろうな、と感じていたものだ。 いいとか悪いとかの話ではなく、それはある環境が生み出した生き方だったのだと思う。そして、産業化され、大きな市場になっていた90年代の音楽シーンにおいては、衝動的な自己表現が溢れた結果としてのロックの居場所は、かつてよりは小さくなっていた。「マス」という存在を意識できる演奏家たちは、その変化

    反抗なきロックの時代
    hiroqli
    hiroqli 2016/01/28
    ハックという言葉も随分一般化したよねーと。本当はロックと一緒でならず者のための言葉なんだけどw
  • コンテンツで振り返る2015年

    コンテンツという言い方が妥当なのかは分からない。ただ、音楽にせよ映像にせよゲームにせよ、個別にいろいろと論じるほどの余裕もないので、今年はとりあえず大まとめにして「コンテンツ」という形で、見たもの聴いたもの読んだものを振り返ることにしたい。というのも、できる限りインプットを増やそうと思って頑張った結果、それらの間に共通の関心やテーマが浮かんできたからなのだけれど、もちろん個別にも楽しめたものばかりだったので、全体としては充実した年だったな、と思う。 1.プリンセスの氾濫 あちこちで「プリンセス」モチーフが溢れかえっていたのが今年の最大の注目点。きっかけは昨年の『アナ雪』だろうけれど、既に2011年くらいには「Girlie-Girl Culture」なる言葉も生まれ、『シンデレラにべられた娘(Cinderella Ate My Daughter)』なんても出ていたそうなので、2010年代

    コンテンツで振り返る2015年
    hiroqli
    hiroqli 2015/12/31
    Charlieの今年のまとめ。ブルエンは4人中3人が九州出身ですよ。
  • IPPS消費とはなにか〜2014年を振り返る(1)

    トレンドの節目というものがある。具体的な現象というより、それらがいくつかつながりながらひとつの流れを形成し、気付いた時にはあそこでもここでも同じようなことが起きているね、という。研究の世界ではこれまで、未来予測をするとしても、起きたことをもとに考えるべきだとされてきた。だからその種のふんわりとした未来予測は学術的でないということで評判が悪いのだけど、時代に先手を打てなければ生き残れないという危機感の強い産業界においては、単なる直感とも学者の後出しジャンケンとも異なる「理論に裏打ちされた未来予測」への期待感はとても高い(だから僕みたいな人間にもお仕事がある)。 今年、いろんなところでくり返し主張してきたことのひとつが、その大きなトレンドの節目である「ソーシャルの時代の終わり」だ。ただ、分析を深める前に速度重視で記事を書いたり発言したりしてきたので、「ここを読めば分かる」みたいな形にはなってい

    IPPS消費とはなにか〜2014年を振り返る(1)
    hiroqli
    hiroqli 2015/01/18
    IPPS消費はどことなくWEB的に思えるのはなんでだろう
  • 「わたしたち消費」からIPPS消費へ

    先日、僕がパーソナリティをつとめているラジオ番組「文化系トークラジオLife」のためにひねりだした「IPPS」という消費モデル。その後いろいろと考えてみたら面白くなってきたので、現時点で思ったことをまとめておきたい。 そもそもこの消費モデルの背景には、広告業界でよく言われてきた消費者行動モデルがある。2000年代に入って、それまで標準モデルだとされていいた「AIDMA」に代わって、電通が「AISAS」モデルを提唱する。「Attention → Interest → Search → Action → Share」と連なるこの行動モデルでは、広告がイニシアチブを持っていた「消費者の注意喚起」ではなく、「ネットでの主体的な情報収集」や「購買後の感想のシェア」といった消費者側の行動が、購買に強い影響を持つことを示唆したものだった。 震災後になって、佐藤尚之さんが「SIPS」モデルを提唱した背景に

    「わたしたち消費」からIPPS消費へ
    hiroqli
    hiroqli 2014/11/04
    IPPSって興味深いんだけど、イベントごと以外で使えるのかなぁと思ってたら、ここ最近のマーケティングのほとんどがお祭り仕掛けだった(バレンタインもうなぎもハロウィンもそう)
  • プラットフォーム戦略としてiTunes Matchを考える

    連休前に発表されたiTunes Matchの日展開。意外だったという人も多いようだけど、最近ちょうど講義なんかでAppleの戦略について扱っていたこともあって、すんなり腑に落ちたというのが第一印象。要するにウェブのクラウド化を背景に、多くのアクターがプラットフォーム戦略による自社のコア・バリューの上昇を狙っていて、今回の話もその一環だと考えればいいのじゃないかと。 プラットフォーム戦略とは、ウェブ経由で提供されるサービスを基板にして、多面的に市場の外部性を獲得しながら、自社の収益源となっている製品/サービスの付加価値を増大させようというものだ。市場の外部性とは、利用者が増えれば増えるほどサービスの利用価値が上がるというもので、Appleについて言えば、多くの楽曲が提供されていることでiTunes Storeの付加価値が高まるということを指す。さらに、利用価値のあるサービスにはユーザーが集

    プラットフォーム戦略としてiTunes Matchを考える
    hiroqli
    hiroqli 2014/05/04
    CharlieがApple論語ってた :: プラットフォーム戦略としてiTunes Matchを考える via @feedly
  • 質の頑張り>量の頑張り

    毎年春になると、新入生向けに何か書かないと、と思っていたのだけど、そういえば去年は何も書かなかった。10年、11年、12年と続けて書いてきて、もう特に書くことがなくなったからなんだけど。 で、今年の入学式。震災の緊張感が抜けたのか、景気回復の影響か、全体的に例年より落ち着きがない。悪意があるわけじゃなくて、いま自分がその場でどういう態度を求められているのかを理解できないという意味で、単に子どもなのだろうと思う。 そういう子たちにはもちろんそれなりの対処の仕方があるのだけど、どちらかというと気になるのは、そういう雰囲気の中で、「自分だけは違う」と思っちゃってる君みたいな人のことだ。自分はあんなチャラい奴らとは違う、まじめに勉強するために進学したんだ、と。素晴らしい姿勢だし、僕らとしてもその意欲には全力で応えたい。でも、実はそういう態度って割と危なっかしいところもある。 「量の頑張り」は見えや

    質の頑張り>量の頑張り
    hiroqli
    hiroqli 2014/04/03
    量の頑張りって要するにOutputで、質の頑張りってOutcomeなんだよね。 評価に必要なのは、それによって何が変えられたか、ということ。
  • 中西寛『国際政治とは何か』における偽善と独善の論理

    国際政治を考える際に、中西寛はその著書の中で、バーナード・ショウの喜劇に対して、近衛文麿や和辻哲郎が、欧米先進国の偽善性を見抜いていたというエピソードから議論を始めている。確かに当時の英米は、国際政治に関して高遠な理想を掲げながら、その実自国の利害のために動いていたわけで、そこに「二枚舌」の性格を見出すことは難しくなかった。だが、と中西は述べる。そうした英米の偽善に対して日がとったのは、いわば「独善的」な立場であったと。 それはたとえば満州事変の後、リットン調査団の報告に対して松岡洋右が行った演説に現れていたと中西は言う。 日は東アジアと世界の平和の理念を強く信じているが、中国は法を守ろうとせず、日の理念も理解しようとしない。しかるに満州は日にとって死活的に重要である。したがって日はまさにやむをえない事情から満州国建国に動いたのであって、それのみが満州に法と秩序を与え、日の利益

    hiroqli
    hiroqli 2013/05/16
    "日本は普段はおとなしいが、いったん暴れ出すと何をするかわからない国、自己中心的な国、というイメージ": "中西寛『国際政治とは何か』における偽善と独善の論理"
  • 選挙の後こそ、民主主義が問われる « SOUL for SALE

    選挙が終わった。というよりは新しい体制での政治が始まるという方が正しいのだけど、ともあれその結果を見て、予想通りだという人もあれば、意外だという人もあるだろう。特に第三極の政策や政権公約に興味があった人の中には、結局のところ自民党大勝という結果に失望した人も多いのかもしれない。みんな党の名前しか見てないんじゃないか、と。 ところで、それよりも気になっていたのは、選挙直前になってネットのあちこちからあがった「選挙に行こう」の声だった。それ自体はとても大事なことだし、勢い余って「選挙に行かない人に政治に口を出す権利はない」とか「選挙に行かない男と付き合うな」なんて話が飛び出すのもまあ仕方ない(どちらも間違った意見だと僕は思うけど)。ただ若年層に関して言えば、近年むしろ政治への関心は高まっているし、昨今の調査ではネットを熱心に見ているのはむしろ30代から40代らしいので、どこまで的に当っているの

    hiroqli
    hiroqli 2012/12/16
    Charlie、いいこと言ってる
  • 自己啓発するノスタルジーの論理 « SOUL for SALE

    オリンピックに興味を持つのは難しいのだけど、そんな僕でも開会式くらいは(後追いで)見ることになるわけで、なにせ知識のレベルでもかの国について知っていれば、イギリス社会への皮肉たっぷり、もはや開会式関係ないお祭り騒ぎで、アナウンサーの人たちはこの開会式の原稿をもらったときどんな顔をしたのかなあとか、そんなことばかり考えていたのだった。でも同時に思ったのは、じゃあこれを日でやるとしたら、どんな演出で、どんなストーリーにするのだろうということ。Mr.ビーンのポジションはビートたけしなのかもしれないけど、彼がいま開会式でコマネチしたところで、笑える世代はもうだいぶ上の方だ。 まあ普通にやるなら、議論を呼びそうな戦前から終戦にかけての話はうまくすっ飛ばして、高度成長期からのバブル崩壊、長期停滞、ふたつの震災と、現在の日を描き出した上で、このオリンピックを契機に新しい国づくりを目指すぜ!みたいなコ

    hiroqli
    hiroqli 2012/07/30
    "こうした[自己啓発]セミナー(就活なんかでもよくある)はおおむね、(1)抽象的な目標の設定、(2)具体的な成功例の提示、(3)現在の自己の否認、(4)自己肯定へと至る手段の提示、という4つのステップから成っている。"
  • 大学生になったら身につけたい3つのこと

    春になると、新入生を迎える時期ということもあって、何か気の利いたことを言わなきゃなあという気になるのだけど、去年、一昨年と書いたことで大体尽きているわけで、基的にはそれでお願いしたい。なので今年はちょっと方向性を変えて、生き方の技術的な話でも。 ⒈ 人の話を聞こう よく「話を聞いてない」と言われることはないだろうか。大学生活というのは、意外と連絡事項の多いもので、聞き漏らしたり忘れたりすると、ときに致命的なミスにつながることもある。高校生までなら、誰かが「ちゃんと聞いておきなさい」と言ってくれるかもしれないけど、大学生ともなると「聞いてなかったお前が悪いんでしょ」で終わりだ。 で、そんなことは分かってるんだと思うけど、でもやっぱり聞いてなかった、みたいなことは起きる。なぜか。ひとつの原因は「話を理解すること」と「話を聞き留めること」の違いを意識していないところにある。たいていの連絡事項、

    大学生になったら身につけたい3つのこと
    hiroqli
    hiroqli 2012/04/01
    大学生になったらっていうか、明日新社会人の人にも同じこという諸先輩方がいらっしゃる気がするよ
  • ソーシャル化で失われるモノ?

    これは僕の話じゃなくて一般的な傾向として、「ソーシャル化」の流れを許せない人というのがいる。この場合のソーシャル化とは、さまざまなコンテンツやデバイスがソーシャルメディアと連携したものになるとか、オンラインでのコミュニケーションと統合されていくとかそういうこと。ゲームの世界なんかではソーシャル批判が根強くて……なんてことを考えていたらこんなエントリも飛び出した。 「こっちは人とコミュニケーションしたくなくてゲームの世界に来てんのに、そこでも人間関係を求められてウザい」って文句は割と以前からあって、僕もそっち派ではある。でもこれってすごく示唆的で、早くからユーザーたちは、ソーシャル化ってことはつまりオンラインの世界が現実と同じものになる(そのことによって最大の魅力を失う)ということを感じ取っていたわけだ。 しかし、それで失われるものってなんだろう、とも思う。一応日の社会学で語られてきたこと

    ソーシャル化で失われるモノ?
    hiroqli
    hiroqli 2012/03/27
    "「超合金」っていったい何と何の合金なのかも分からないような響きにわくわくしていた昭和の子供たちは年をとり、モノというよりは通信のためのハコとしてのiPhoneなんかが売れる時代になった。"
  • 宝くじと当たりくじ

    ソニーの採用活動での「ルールを変えよう」という提言が話題になっている。その骨子は、(1)卒業後三年以内であれば、在職中の人も含め選考の対象にする、(2)応募者自身が選考方法を選べるように、複数のエントリーコースを用意、(3)スーツでの就活にこだわらない選考、の三点を通じて、学生と企業が対等な立場で互いを選び合うような採用活動を行いたいということのようだ。 言われていることには賛成だし、ヨコナラビが好きな日の企業にとっては、ソニーのような大企業が言い出しっぺになってくれると、うちもうちもと乗っかりやすいということもあるだろう。ただそれでも、この取り組みを大絶賛と言われると、それはちょっと、と言いたくなる気持ちがある。 もっとも気になるのは、これはあくまで選考の対象になる人の幅を広げましょうという話であって、採用数についての話はしていないということだ。たとえて言えば、宝くじの刷り枚数は増やし

    宝くじと当たりくじ
    hiroqli
    hiroqli 2012/01/06
    就活に対する適切な問題提起。なるほど。
  • 正月だからタスク管理を考える

    タスク管理という奴は、それだけでが何冊もあるくらい奥の深いものなのだけど、きちんとした形で始めるには色々と困難もつきまとう。一番やっかいなのは、「多数のタスクを抱えている」からこそタスク管理を始めたいのに、忙しすぎてそもそもタスク管理の方法について学んだり工夫したりする余裕がないということだ。正直、GTDのなんか読んでる暇があったら仕事するよ、という人も多いと思う。 お正月というのはそういう意味で、タスク管理を学んだり始めたりするのにとてもいい時期だ。まだ12月30何日あたりをうろうろしている人もいるだろうけど、実家でいつまでもぬくぬく休んでいたいという人もいるんじゃないかと思う。そこで今回は、自分がタスク管理を見直す時期だったこともあって、「誰にどんなタスク管理が向いているのか」について整理してみようと思う(ちなみに僕は、毎日色んな仕事をこなしてはいるけど、タスク管理の専門家でもなん

    正月だからタスク管理を考える
    hiroqli
    hiroqli 2012/01/04
    タスク管理に関する良記事。久々にこんな良記事見たよ
  • 「自粛ムード」の心理

    Twitterに「不謹慎」という非難が飛び交う理由について書いたのがきっかけで、海外のメディアからいくつか取材の依頼をいただいた。それ自体はありがたいのだけれど、どうしても「自粛=日独自の現象」という先入観で取材をされることや、僕の語学力の問題もあって、なかなかきちんとした形では答えられなかったところもある。さしあたりここでは、「自粛」を一般的な心理状態であると仮定した上で、そうした感情や、それが生み出す弊害をどう回避するかについて考えてみたい。 1.自粛と萎縮 まず、「自粛」という言葉について。宇多田ヒカルさんも「自粛を要請ってそれ他粛じゃね?」とつぶやいてたけど、じっさい僕らが直面している「自粛」なるものは、なんとなくパーッとやる気になれないという「自粛」と、ここで盛り上がるのは批判を招くのではないかという不安からくる「萎縮」のふたつから成り立っている。むろん「自粛を要請」されたとこ

    「自粛ムード」の心理
    hiroqli
    hiroqli 2011/04/18
    「自粛ムード」の心理 « Soul for Sale
  • こんな時だから大学生活を考える

    寒すぎた冬がまだ尾を引いているせいで桜も例年より遅め。震災の影響を直接には被っていないとはいえ、一部の商品はスーパーでも売り切れる状況では、「入学おめでとう」などとのんきなことは言えないのかもしれない。まして、長いスパンで考えれば景気停滞、雇用不安、グローバル化への対応など、あと4年もたてば社会人として自らも取り組んでいくことを期待されるお題が山積み。これなんて無理ゲー?となるのも致し方ないと思う。でも、大学に入れたということは、それだけで他にはないアドバンテージを手にしているということだったりする。基的には昨年のエントリで言いたいことは尽きているのだけど、今年も少しだけ「大学生活の使い方」について。 1.ともあれ図書館は財産だ 学生であるうちにしか許されないことのひとつに、大学図書館の利用がある。もちろん大学によって規模は違うし、卒業しても多少は利用できるケースも多いんだけれど、ともあ

    こんな時だから大学生活を考える
    hiroqli
    hiroqli 2011/04/03
    すてきなエントリー。ぜひ大学生に一読して欲しい "こんなときだから大学生活を考える"
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