中央アジアのヒマラヤ山脈は、世界最高峰のエベレスト(8848メートル)を筆頭に、14の8千メートル峰を擁する。写真家の石川直樹さんが登頂に挑み、撮影した14の山容を紹介するのが、東京都千代田区の区立日比谷図書文化館の特別展「ASCENT OF 14-14座へ」(18日まで)だ。 撮影で使うのは、人の視角に近い画角を持つ標準レンズだけだという。「望遠やズームは使わない。遠くのものは遠くに、近くのものは近くに、見た距離がそのまま写る。ぼくが目にした世界が素直に写っているはず」。ローツェ(8516メートル)頂上直下から見るエベレストの威容。世界第2の高峰K2(8611メートル)に至る大氷河、バルトロ氷河。大判に写し出された人跡を拒む雪と岩の世界が、まるで実際に見ているようにこちらに迫ってくる。