現代作家として国際的に高い評価を受けている村上春樹さん。小説の執筆だけでなく、翻訳に、エッセーに、ラジオDJにと幅広く活躍する村上さんについて、最新の話題を紹介します。
現代作家として国際的に高い評価を受けている村上春樹さん。小説の執筆だけでなく、翻訳に、エッセーに、ラジオDJにと幅広く活躍する村上さんについて、最新の話題を紹介します。
あと二つに迫っていると知り、驚いた。 写真家の石川直樹さん(46)が8000メートル峰14座登頂に挑んでいる。石川さんといえば「旅人」の印象が強かったからだ。疫禍(えきか)の制限が大幅に緩和された昨年以降、ヒマラヤ山脈への遠征を繰り返しているという。年齢的な限界も意識する中、なぜ世界の頂を目指すのだろうか。 8月末、東京都渋谷区の日本写真芸術専門学校で、石川さんの講演する姿があった。カメラを学ぶ若者らに向けてこう投げ掛けた。 「SNS(ネット交流サービス)の『いいね』は『どうでもいいね』の『いいね』だからね」 周りの評価ばかりを気にすると「写真は弱くなる」と述べ、撮影のテーマ選びに頭を悩ませる若者らにアドバイスを送った。「自分の関心あるものを過剰なまでに撮ると、それが作品になる。知っているつもりにならないことが大事。それは目をつぶるのと同じだ。手探りで見るような気持ちになれば、おもしろいも
(新潮社・1925円) 旅先の数だけ「自分」がある 石川直樹は「旅暮らし派」の最右翼だと思う。この本は月刊誌の連載をまとめたものだが、毎回が旅の話である。ダッカやサハリンなど旅先からの通信も多い。住民票をおいているという宮古島にも腰をおちつけることはなく、能登、知床、鹿児島と、国内もとびまわる。そのあいまに、世界第二位の高峰、K2に挑んでもいる。いや、K2は「あいま」に行けるような気楽な山ではないし、著者が長期にわたる周到な準備を重ねたこともわかっている。しかし、文章に没入するように読んでいるうちに、人生の一大事といえる旅と「あいま」の旅とが区別できなくなってしまうほど、どの旅も密度が濃いのである。 著者は写真家だから、題材を求めてどんな辺境にも行く。極地や高山を題材にした写真集には、自分の全存在をかけて「そこにいることが困難な場所」にぶつかっているようすが表れている。しかしそれはそれとし
「総合的・俯瞰(ふかん)的」「多様性」「バランス」「既得権益」……。日本学術会議の任命拒否問題を巡っては、菅義偉首相が抽象的なフレーズを繰り返す場面が目立つ。具体性を著しく欠いた国のトップの説明は、日本語の専門家にはどう映っているのだろうか。国語学者の金田一秀穂さんは「本来的な意味での『姑息』(こそく)」と指摘し、政権が打ち出す政策にも相通ずるものがあるとみる。【金志尚/統合デジタル取材センター】 「何も考えていないんだろうな、この人は」 ――菅さんは抽象的な言葉が多い印象です。どう見ていますか。 ◆あまり考えた発言とは思えないですね。その場その場をしのげればいいと思っているんでしょう。(学術会議について)「女性が少ない」とか「私立大所属が少ない」「既得権益」とか、思いついたことをとりあえず言っている感じですね。これらは中身を伴わない、何の意味もない言葉です。「何も考えていないんだろうな、
武蔵野市は13日、昭和初期にチェコの建築家アントニン・レーモンドが手がけた富豪・赤星鉄馬の旧邸宅と敷地4459平方メートル(同市吉祥寺本町4)について、所有者のカトリック・ナミュール・ノートルダム修道女会と基本合意を締結、邸宅の保存に乗り出すことになった。敷地は購入して公園に、邸宅は寄贈を受け有形文化財の登録を目指す。松下玲子市長は「歴史的建築物が失われる中、価値の高いものを残したい」と理由を説明した。【和田浩明】 邸宅は1934(昭和9)年に建築された地上2階の鉄筋コンクリート造りで延べ1196平方メートル。修道院として使用してきた同修道女会が近年譲渡の方針を示し、保存を危惧する声が上がっていた。保存活動に取り組んだ竹内雄一弁護士らによると、機能や合理性を追求した欧米のモダニズム建築に日本建築を取り込んだ、レーモンド独自の建築様式による数少ない個人邸宅だという。レーモンドは、旧帝国ホテル
すでに各メディアで流されたから御存知の方も多いだろうが、一月十七日、私の小説が芥川賞に決まった日の夜、東京でバカな記者会見をした。女優の言葉を引用し、自分がもらって当然と言い、さらに石原慎太郎都知事に言及した。その後のさまざまな報道のされ方の中には、事実と違う部分がかなりある。終わったこととはいうものの、私の知っている範囲の事情を、どうしても書いておきたい。 まず、十七日の会見の段階で私は、石原氏が六日に行った、今度の芥川賞候補作はバカみたい、という発言を全く知らなかった。正確な内容を知ったのは十八日になってからだ。次に、会見内での、もらって当然、都知事と都民のためにもらっといてやる、という言い方は、はっきり言うと最終候補になるずっと前から、もしその時が来たら言ってやろうと準備していたものだった。だから、六日の都知事の発言に田中がかみついた、というのはメディアが勝手に作った図式だ。 もう一
第30回土門拳賞(主催・毎日新聞社、協賛・(株)ニコン、(株)ニコンイメージングジャパン)の表彰式が4日、東京都千代田区の学士会館で行われ、受賞者の写真家、石川直樹氏(34)に、毎日新聞社の岸井成格主筆から表彰状と記念ブロンズ像「少女」(彫刻家・故佐藤忠良氏制作)と賞金が贈られた。 受賞作「CORONA」(青土社)は、南太平洋のポリネシア・トライアングルと呼ばれる広大な海域に住む海洋民を、10年間にわたり追った作品。点在する島々の人々は海によって柔らかにつながり、同種の言語と文化を持つ。石川氏は、無数の中心が共存する新しい世界のあり方を一貫して模索しており、その精力的な写真活動が高く評価された。 式には故土門拳氏の長女で山形県酒田市の土門拳記念館館長、池田真魚さんら100人以上が出席し、石川氏は「写真活動を通じ、見慣れた世界も角度を変えれば、新しいものが見えると気づいた。受賞作は既知の存在
5年ぶりのアルバム「out of noise」を発売した坂本龍一さん。「自分の好きな音を花を生けるように組み立てた。自由に楽しんで欲しい」と呼びかけている もっと見たい方は↑写真↑をクリック! 坂本龍一さん(57)が、5年ぶりの新アルバム「out of noise」を4日にリリースした。アルバムには坂本さんが出会ったさまざまな音のかけらたちが12作品の中に散りばめられている。「自分の好きな音を花を生けるように組み立てた。山水画のようなモノクロのアルバムだけど、白と黒の中にあるグラデーションを感じてほしい」という最新作について聞いた。【西村綾乃】 アルバムの制作を始めたのは昨年9月。同時期にアートを通して気候変動を伝える「ケープ・フェアウェル」という企画で北極圏を訪れた。「アフリカに行った時もそうだったけど、静けさや自然の力に圧倒された。水と氷、そして雪が続く世界」といい、その状態を残
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く