ネットワーク部門でAWARDを受賞した富士通の「WANDIRECTOR A100」(写真1)は,企業の拠点間などでIP通信を高速化するための装置。同製品を対向させて使う。 TCP通信には,輻輳制御というメカニズムがある。伝送途中でパケットをロスしたり遅延が起こったとき,転送レートをいったん下げて,また徐々にレートを上げていく制御である。転送レートが十分に上がる前にパケット・ロスなどが発生してこの輻輳制御が働くと,実効伝送速度が思ったほど上がらなくなる。そこでWANDIRECTORは,回線の実効帯域を測定して,パケット・ロスなどが発生しない適切な速度で常に通信できるように制御をかける。そのために,WANDIRECTOR間でやり取りするIPパケットは,IPsecをベースとした独自プロトコルによってカプセル化される。 ITpro EXPOの展示会場では,川崎にある富士通の拠点と展示ブースの間を1