構想から57年、2009年9月11日にようやく本体工事の入札が行われる予定だった群馬県の八ツ場(やんば)ダムの建設が、続行か、中止かで揺れている。マニフェストで「八ツ場ダムの建設中止」を打ち出した民主党が政権交代を果たしたため、首都圏の「水がめ」と期待する1都5県と、地域の活性化や生活再生を望む「推進派」の地元住民が、「建設続行」を求めた。建設反対派の声がかすみつつある情勢に、民主党の「実行力」が早くも試されそうだ。 町役場は「ダム建設に反対している町民はいない」 9月11日に迫った八ツ場ダムの本体工事の入札を前に国土交通省は、谷口博昭事務次官が「政権交代という情勢を踏まえ、対応を考えたい」と、入札の延期に向けた検討を進めていることを明らかにした。「現時点で決まっていることはない」(国交省)というが、大臣が変わるので一たん延期は間違いない。 その一方で、2010年度予算の概算要求では八ツ場