京都橘大特任教授を3月に定年退職した長浜市公園町の明定義人(みょうじょうよしと)さん(65)が、コレクションした自身の蔵書を終活のため市民に安く譲る古書店「六夢堂(りくむどう)」を、長浜市宮前町にオープンさせた。同市高月図書館長を20年間務めるなど本好きの実績を生かし、来店者に本を紹介。“本のソムリエ”の活動が評判を呼んでいる。 明定さんは、二〇一三年三月に高月図書館長を定年退職。翌四月から五年間、京都橘大文学部特任教授として図書館情報学を教えてきた。長年の本好きが高じて、これまで年間の書籍購入費は三十万円。大学を退職してからは、研究室にあった段ボール十五箱分の本を長浜市内の自宅マンション物置に運び込んだため、兵庫県加古川市の実家にある本も含め、蔵書総数は三万冊にもなった。 自宅や実家に置き場所がなくなり、苦渋の選択として、一九八〇年代に発刊された単行本や雑誌などを中心に、一部を販売するこ