自治体には図書館をもっと大事に扱ってもらいたい。地方自治をライフワークとしてきた筆者がいつも願っていることである。 大切に扱うとは、図書館の予算をもっと充実する、図書館のスタッフ、わけても司書の配置を充実し、その処遇を改善することなどを意味する。また、図書館の管理を安易に外部化したり、図書館を賑わい創出のための道具にしたりしないことをも意味する。 しかし、現実には図書館の予算や体制が貧弱な自治体は少なくない。また、近年とみに図書館の管理運営を外部化する自治体が増えているし、そこでは図書館が賑わい創出の場として提供され、もはや図書館と呼ぶのが憚られる施設と化してしまっている事例も散見されるようになった。情けないことだと思う。 筆者がどうして図書館のことに強い関心を寄せるのかと言えば、1つには、わが国の図書館の多くが自治体によって設置されているからである。公共図書館はもとより、公立学校の学校図