「欲しいというよりは、“持っておくべきだ”という感覚に近い」。数えきれないほどの背の高い本棚に囲まれ、2万5,000冊の本とともに毎日寝起きする。 「私が本を集める理由は正直わからないけれど」。自身を“ビブリオマニア(蔵書狂)”と認める男がいるのは、図書館でもなければ書店の在庫倉庫でもない。本をいささか買い過ぎてしまう彼の自宅、蔵書狂ワールドへようこそ。 「毎日のように“無意識に”本を買ってきた」いまでも週3、4冊は買ってしまう そこに足を踏みいれると、初夏の日差しが眩しい真昼間にもかかわらず、天窓から差しこむ光のみで薄暗い。照明がついた瞬間、無数に鎮座する背の高い本棚が四方に現れた。その圧巻の景色には、息を飲まない方が難しい。ブルックリン・ブシュウィック地区の外れ、約140坪の縫製工場跡に建てられた、蔵書狂リチャード・コステラネッツ(78)の本の城だ。 字面からおおよそ予想はつくだろうが