2点差の9回に足をつり、審判員の助けを借りてベンチへ下がる常総学院の飯田。彼のような事態を減らすためにも、高校野球の“美学”について今一度考え直す必要があるだろう。 なにゆえ、そこまでエースの続投にこだわるのか。 22日に前橋育英(群馬)の優勝で終えた今大会、投手起用について、いくつか疑問に残る采配があった。 「マウンドに自分が上がるのが当たり前になっていました。でも負けて思ったのは、ずっと起用し続けてくれた監督に感謝したいということです」 そう語ったのは、鳴門のエース・板東湧梧だった。 板東はこの夏の徳島県予選の4試合を一人で投げ抜いてきた。 甲子園に入ってからも1回戦の星稜(石川)戦から敗れた準々決勝の花巻東(岩手)戦まで一度もマウンドを降りることはなかった。4季連続出場の鳴門にとって、今大会は優勝を狙っていたが、板東への負担が大きかったのは明らかだった。 「それは関係ないと思います」