本記事は日経コンピュータの連載をほぼそのまま再掲したものです。初出から数年が経過しており現在とは状況が異なりますが、この記事で焦点を当てたITマネジメントの本質は今でも変わりません。 仕事ができる人とできない人,信頼される人と信頼されない人。どんな会社にも2種類の人たちが存在する。期待通り,もしくは期待以上の成果を上げてくれる人材は少数派である。同じ社員なのに,なぜ大きな能力差が生まれるのか。疑問に思う経営者やマネジメントも多いことだろう。この疑問にこたえ,人材育成という重要な経営課題を解決する処方箋が,「ビジネス・スキル」への着目である。 池田 輝久 新入社員として入ってきたときは,間違いなく全員がやる気満々であったはずだ。その時点で,「できる人」,「できない人」という区別はなかった。「いや,入社のときすでに力量の差があったが,それを見抜けなかったのだ」と言う方もいるかもしれない。だが,