ビロード地の布張りの椅子、フリフリの襞のついた幕、広々としたフロント、バルコニー、ミラーボール、スタート前に流れていたSEはジャズ……元々はキャバレーだった名残をそこかしこに感じる東京キネマ倶楽部での公演からスタートした『アンコールはどうする?』東名阪ツアー。独特な雰囲気が漂う空間で聴いたクリープハイプの曲達は、いつにも増して魅力的だった。観客にとってもバンドにとっても忘れられないライヴとなったのではないだろうか。 場内に流れていたジャズが突然止んで暗転。するとステージ上手袖からゆっくり歩きながら現れた尾崎世界観(Vo・G)、小川幸慈(G)、長谷川カオナシ(B)、小泉拓(Dr)。それぞれの楽器の準備を終えると、4人は握手を固く交わし合った。全員の衣装がスーツっぽいフォーマルなテイストなのが目を引く。そして、「今晩は。今日はオシャレな衣装を揃えてもらったから頑張らないと。よろしくお願いします