岸 政彦 第8回「笑いと自由」 本ブログで2013年末から1年間にわたって連載していた『断片的なものの社会学』が、このたび書籍になります。2015年6月はじめから書店店頭に並ぶ予定です。これまで連載を読んでくださってありがとうございました。書き下ろし4本に、『新潮』および『早稲田文学』掲載のエッセイを加えて1冊になります。どうぞよろしくお願いいたします!(編集部) 先日、ある地方議会で、男性議員からの、女性議員に対するとても深刻なセクハラヤジがあり、メディアでも大きく取り上げられて問題になっていたが、そのとき印象的だったのは、ヤジを飛ばされているちょうどそのとき、その女性議員がかすかに笑ったことだった。 あの笑いはいったい何だろうと考えている。 * * * 仕事でも、あるいは個人的にも、いろんな人たちとお付き合いがあり、なかでも自分の研究や教育、社会活動の関係で、いわゆるマイノリティと