就職活動の”作法”は、1990年代前半に形成され、それ以来20数年間続いてきた。自己分析にはじまり、業界研究、企業研究で志望を絞り込み、プレエントリー、ES(エントリーシート)の提出と会社説明会への出席を経て、面接へと辿り着く。 この記事の写真を見る このステップの大枠に変化はないはずだった。が、最近になって採用に直結するのかはっきりしない、面接が増えてきた。 ■選考面接とは言わずに呼び出す企業 企業は面接と言わずに学生を呼び出しているが、実質的には学生を選考する面接を実行している。偽装する「カモフラージュ面接」、水面下で行う「サブマリン面接」などの言葉が浮かぶものの、まだ定まった用語がない。 そこで、本当は選考面接なのに「面接」と言わずに学生を呼び出す行為を、本稿では「だまし面接」と呼ぶことにする。だまし面接の背景には、経団連の「採用選考に関する指針」によって、採用スケジュールが迷走して