無期懲役刑が「終身刑」につながる傾向が進んでいる。昨年1年間に仮釈放された無期懲役の受刑者は8人で、8年連続で1桁となった。1990年代はほぼ2桁で推移していた。8人の刑務所の平均在所期間は31年2カ月。10年前から約8年、20年前からは13年延びた。一方で、刑務所内で死亡した無期懲役の受刑者は昨年14人で、5年連続で2桁となった。 日本に終身刑はない。無期懲役刑と終身刑の違いは仮釈放の有無だが、事実上の終身刑として刑務所で最期を迎える受刑者が増えている形だ。 法務省が28日に公表した無期懲役の受刑者に関するまとめで分かった。89年以降の統計でみると、仮釈放された受刑者の人数は91年に34人にのぼるなど、98年までほぼ2桁で推移。平均在所期間も20年前後だった。