企業の人事担当者からすれば、喉から手が出るほど欲しい人材ではないか。 津商(三重)には、地方大会から通じて出場試合ゼロの「レギュラー」が2人いる。背番号13の一塁コーチャー・東将司と、背番号16の三塁コーチャー・上嶋悠斗だ。 彼ら2人の動きを目で追っていると、飽きることがない。攻撃イニングが始まると、まるでゲートアウトした競走馬のように、勢いよくベンチを飛び出す。 ADVERTISEMENT コーチャーズボックスに辿り着くと、まずは土を足で丁寧にならし、スパイクで3本のラインを引く。その姿は、まるで神聖な儀式のようにさえ映る。 3本のラインは、もともとは三塁コーチャーである上嶋のアイディアだった。1本目は三塁ベースと垂直に引く。そのラインと平行に足された2本のラインは、三塁走者が出た場合の第1リードと第2リードの位置を示している。そうして走者がどれだけリードしているかひと目で判断できるよう

