(柳原 三佳・ノンフィクション作家) 法定速度が時速60キロの一般道で、時速194キロというスピードを出し、死亡事故を起こした運転手の行為は「過失」なのか? それとも「危険運転(=故意)」として裁かれるべきなのか……。 【写真4点】<死亡した小柳憲さんが乗っていた車(トヨタ・ラッシュ)は、車体の左側が大きく凹損、ルーフはめくれ上がり、フロントのエンジン周りも激しく損傷している>ほか 昨年、大分市内で起こった事故をきっかけに、今、「危険運転致死傷罪」の構成要件と検察の判断の是非について、大きな議論が湧き上がっています。 ■ 県警は「危険運転致死罪」の疑いで送検したが 交差点を直進中だったA(当時19歳)の車と、対向車線から右折しようとした小柳憲さん(当時50)の車が衝突し、両車は大破。約90メートル飛ばされた小柳さんの車は、その衝撃でシートベルトが切断され、車外へ放出された小柳さんは約2時