トップが指示したことを忘れたのか、部下の独断専行か――。いずれにしても、鳩山内閣はすでに組織の体をなしていないようだ。 米軍普天間基地の移設問題をめぐって、移設策の候補地である徳之島の3町長らと話し合いの機会を持つため、滝野欣弥官房副長官が町長と鹿児島県知事に電話したことについて、鳩山由紀夫首相は「どのような思いで電話をかけたのか、わからない。わたしが存じ上げる話ではありません」と突き放した。 移設先への正式な打診ではないということらしいが、官房副長官といえば内閣官房実務のトップ。総理の手足となって動く重要なポストだ。首相の発言とは思えない無責任さが漂っている。 「『知らない』が口癖のようになっている」 2010年4月20日午後、滝野官房副長官は平野博文官房長官の指示で徳之島の徳之島、伊仙、天城の3町長に電話し、「鹿児島市で平野氏と会ってほしい」と要請。鹿児島県の伊藤祐一郎知事にも電話して