デジタルトランスフォーメーション(DX)の高まりを受け、企業や行政機関のシステム開発プロジェクトでアジャイル開発の導入が進んでいる。従来のウオーターフォール型ではない開発が増えたことで、ITシステム契約の在り方も変化している。契約面で失敗しないために何にどう気を付けるべきか。事例と専門家の解説からひもとく。 初めての本格アジャイル、準委任型契約で開発 東京証券取引所は2021年2月1日、アジャイル開発の手法を初めて本格的に使った新システムを稼働させた。ETF(上場投資信託)のオンライン取引システムである「CONNEQTOR(コネクター)」だ。機関投資家はCONNEQTOR上で売買したいETFの条件を入力し、マーケットメーカー(値付け業者)に対して価格の提示を依頼する。提示された価格で発注すると、証券会社経由でToSTNeT(東証立会外市場システム)に自動発注される仕組みだ。 稼働後の約5カ