私たちは認知症といわれる人々を、どのように理解したら良いのでしょうか? どのように支えることができるのでしょう? 徘徊、譫妄、妄想など、強い周辺症状がそのイメージをふちどるあまりに理解が難しいように思われる認知症ですが、それは必ずしも故なき混乱ではありません。 看護・介護する側の理解が深まるほどに安らげる状況をつくることができ、自然な老いのありようとして、ターミナルへの、その人らしい穏やかな道程でありうるのです。人と人として、ともにいることができる。そんな認知症ケアへ向けて、4人の著者がそれぞれの持ち場から考察を深めます。