序 章 暴力はいかにして哲学の問題になるのか……(飯野勝己) 1 「ただそうなっているだけ」の世界から、この世界へ 2 力と暴力 3 暴力への反転に抗しつつ――本書のあらまし―― 第Ⅰ部 暴力の根源に向けて 第1章 暴力におけるミーメーシスとアイデンティティ……(上石 学) はじめに 1 ルネ・ジラールの思想における暴力とミーメーシス 2 アマルティア・センの思想における暴力とアイデンティティの複数性 3 絵本『あらしのよるに』にみる暴力回避の可能性 おわりに 第2章 文化と暴力――伝統的アート理論に基づく現代的暴力への洞察――……(新田智通) はじめに 1 「表現」と「暴力」をめぐる形而上学的理解 2 伝統的「文化」理論における「オリジナリティ」の意味 3 ヒエラルキーの原理 4 伝統的アートの営み 5 コピーのコピー 6 審美主義 7 文化と仕事 8 「新奇性」と「暴力」の極限化――結