「パパ、おなかがすごく痛いよ」 12歳の少年は、そう言って父親の腕の中で息を引き取りました。 6月中旬からの大雨で1700人が亡くなっているパキスタン。 雨はやんだのに、子どもたちをはじめ多くの人たちが「引かない水」によって命を落とし続けています。 パキスタン南部のシンド州に暮らす男性シャナワズさんは、1枚の写真を手にしながら、こう話しました。 写真に写っているのは、家族や親せきの子どもたち5人。 しかし、その中の1人、シャナワズさんの12歳の息子タサワール君は、もういません。 シャナワズさんの腕の中で息を引き取ったのです。 何日たっても引かない水 その地域では、6月中旬以降、大雨が続いて洪水が相次いで発生。シャナワズさんの自宅は、8月後半に雨が激しく降る中、突然倒壊しました。 近くの学校に一時的に避難し、その後も、壊れた自宅の脇、屋根の無い場所で暮らさざるを得なくなりました。 働いていた