未来を創ることばの教育とは、いったいどんな言語教育なのでしょうか。私たちは、『未来を創ることばの教育をめざして:内容重視の批判的言語教育の理論と実践』(2015、ココ出版)にて、言語教育・日本語教育の目標を「言語の知識やスキルの効率的な習得」から、「コミュニティメンバーとして社会に参加しその将来を担う人間を育成する教育」へと変換する必要性を唱えました。そして、その目標を達成するための一つのアプローチとして「内容重視の批判的言語教育(Critical Content-Based Instruction: CCBI)」を提案しました。「内容重視の批判的言語教育」の根幹にある「批判的・クリティカルな視点」というのは、「今ある社会をよりよくしていくという前向きな視点」です。 昨今の言語教育の現場において、何をもって「内容」とするのか、「言語学習」と「内容学習」のどちらにどの程度重点が置かれているの