毛虫がみずからの内部諸器官をいったんどろどろに溶かしてサナギとなり、一定期間をへたあとチョウへと変身するように、現代社会もまた時代の転換点にある。そこで見られるのは、組織や地域などコミュニティに埋め込まれていた個人が、そのくびきから解放され、自由に動きまわっている姿でもあるが、一方で、むきだしの個人が溶融する社会に投げ出され、困惑している危うい姿でもある。 これからのIT社会を生きぬくためには、現実世界をすっぽりと覆いはじめたデジタル情報空間、サイバースペースに対する理解、「サイバーリテラシー」が不可欠である。それは、すべての人びとが身につけるべき現代の基本素養といえるだろう。 <コンピュータリテラシー→情報リテラシー→サイバーリテラシー> 「コンピュータリテラシー」がコンピュータをはじめとするデジタル機器の操作に習熟することに重点をおくとすれば、「情報リテラシー(メディアリテラシー)」は
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