トランスジェンダーの彼女が手に入れたもの 戸籍は男性、コスプレをしてみたら 平成元年生まれ 私のリアル 年の瀬も押し迫る2014年12月、横浜市の会社員結木ひろみ(29)=仮名=が大学院の授業から帰宅すると、自宅に1通の封筒が届いていた。差出人は数週間前に訪れた家庭裁判所。「あ、きた」。書類には「博巳(ひろみ)」から「ひろみ」への名前の変更を認める、と書いていた。 ひろみは、戸籍上は男性だが、性自認は女性のトランスジェンダー。家裁に認められたことで、戸籍や免許証など自分を証明する書面の名前を、女性らしい平仮名に変えることができる。「一歩が踏み出せた」。うれしさがこみ上げた。 ▽性への違和感 小学生の時は自分のことを「俺」と呼んでいた。「男の子は『俺』って言うんだよ」と周りから言われていたからだ。男女の違いを意識したことは、特になかった。 小学校の高学年に入るころから体毛が濃くなり、声が低