乳幼児らが入院する際、保護者が同じ病室に泊まり込んで世話をする「付き添い入院」。まともな睡眠や食事が取れず保護者が体調を崩す、長期の付き添いで仕事を辞めざるを得なくなるなど、その実態は過酷だ。制度上はあくまでも任意の措置でありながら、実際には看護師の人手不足などを背景に、病院側が保護者に強く要請するケースも多い。 厚生労働省は2021年、運用の実態を調査するべく、患者家族向けのアンケートを実施したが、回答率はわずか1・4%だったことが分かった。アンケートが不調に終わったことを理由に、現状の分析や対応策の検討も事実上の棚上げ状態になっている。 インターネット上では「たった数日でも疲労困憊」「食事、睡眠、休養がぎりぎりで心を病む」といったコメントがいくつも上がっているのに、なぜその声が国に届かないのか。これまでの経緯をたどり、課題を探った。(共同通信=禹誠美、山本大樹) ▽建前上は「親の希望」